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胸に手をあてて「見捨てられている人」のことを考えてもらいたい・・・演出 丹下進

ものがたり


あほろくは川を流されてきました。

庄屋の娘たちと

大嵐の翌日、呂久という村に若者が川に流されてきました。
若者は目も見えず、その上自分の生まれた村や名前まで忘れてしまっていたのでした。
若者は「あほろく」と村人に呼ばれ、村で暮らすことになりました。

昔は川の堤防が低く、大雨が降るたび大水が村を襲いました。
そこで「あほろく」は、大雨の日、川の堤に立ち川の様子を太鼓をたたいて知らせる「川太鼓」の仕事を引き受けることになります。

「あほろく」は雨が降るたびに堤に立ち太鼓を打ちました。そのおかげで村は大変助かりました。
ところがある日、強烈な嵐が村を襲いました。ろくは、力の限り太鼓を打ち続けるのでした。村人に危険を知らせるために!



川だいこを教わるろく

画像の説明

あほろくの川だいこdigest5:04YouTube-logo-full_color-60.png


あほろくの川だいこ制作スタッフ

原作/岸 武雄(ポプラ社刊)
構成・演出・人形美術/丹下進 
音楽/岩瀬よしのり
照明/福田晴彦(自由舞台) 
太鼓指導/吉村城太郎
民謡指導/岩井静枝


  • 上演時間 約90分 途中休憩10分含む
  • 使用楽器 筝 ピアノ フルート シンセサイザー マリンバ 太鼓 パーカッション等
  • 上演料など 詳しい情報は事務所までお問い合わせください。☎0568-51-4199 もしくはお問い合わせフォームより 


スタッフの言葉


木曽三川

作者 岸 武雄 「あほろくの川だいこ」について

ところが、この「あほろくの川だいこ」には、そんな憧れの人物は出てきません。「あほろく」は一応主人公ですが、目の見えない記憶喪失の「よそもん」なのです。そして、ついにあわれな最後をとげてしまうのです。

私がなぜこんなマイナス的要素の多い物語を書いたかと申しますと「児童文学は、やがて大人になろうとする子ども達に、「人生をのぞかせる」ものであり、また別の言葉でいえば『人間とは何ぞや』の問いに対する限りなきアプロ-チである」と信じるからです。大変むずかしい問題のようですが、心のやわらかな子ども達は敏感にとらえてくれるようです。
教室でとりあつかってみますと、子ども達はエゴイズムの村人の中に「自分の分身」を見つけ、「人間の罪」についていろいろ感想を語ってくれます。

今回、日ごろ尊敬する「鬼剣舞」によって上演される運びとなりましたことは、原作者にとって光栄なことであり、その成功を心からお祈りする次第です。(初演時に寄せて頂いた文章)

演出/丹下進

演出/丹下進 作品に寄せて

「胸に手をあてて『見捨てられている人』のことを考えてもらいたい」そんな思いでこの作品に取り組みました。

音楽:岩瀬よしのり

音楽/岩瀬よしのり 祖先達の魂の声

「水」は豊かな自然の恵みであると同時に洪水をもたらす恐ろしい存在でもありました。歴史をひもとけば江戸時代前期145年間に100回以上の洪水があったとされており、その想像を絶する洪水の数は木曽三川沿いに暮らした祖先達の苦悩を如実に物語っています。

また江戸初期には「御囲堤」がつくられ、美濃の国の堤は尾張側より常に三尺低くなければならなかった歴史的苦悩もそこに重なっているのです。

あほろくの川だいこ」に、私はそうした地域にくらした祖先達の魂の声を聞くような気がします。その声は「勝ち組」「負け組」という言葉に象徴されるような現代の不条理さにも警告を呼びかける声でもあります。

このお話しを一人でも多くの子ども達に観てもらいたい。そして「人間らしさとは何か」をかいま見てもらうきっかけとなれば幸いです。


子ども達や先生方・保護者の皆様の声


あほろくの川だいこ

あほろくの川だいこ
いちばんよかったところは、どんなにつらい目にあってもがまんして、いろんな人をたすけた あほろくが一ばんいいとおもいました。あほろくはぜったい、あほではない とおもいました。1年・女の子

  • がっきの音がしんぞうにひびきました。おもしろかったです。ひとりで4人ぐらいの人を演じてすごかったです。3年・男の子
  • ろくにおにぎりをあげる場面をみて、ぼくは、おとくばあさんのような思いやりがある人になりたいと思いました。ぼくのおばあちゃんも目が見えないので、おとくばあさんみたいに、助けてあげたいと思います。5年・男の子
  • ろくの純粋でひたむきな姿に心うたれる、素晴らしい内容でした。また、いろいろな楽器が奏でる美しい音楽と、表情豊かな語りで、子どもたちだけでなく私たち大人も、いつの間にか話の中に引き込まれてしまいました。先生